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 真言宗高野派 
 十一面観世音菩薩 
 799-01 愛媛県川之江市金田町 
 0896-56-3065 
 予讃線伊予三島駅から10km 

縁起

 天平年間(730‐49)聖武天皇の 勅願により行基菩薩が開創したお 寺て慈尊院と呼ばれていました。  その後弘仁6年(815)弘法大師が このお寺を訪れて本尊の十一面観 音菩薩像を刻み、さらに三角の護 摩壇を築いて21日間の護摩秘法を 修し、寺号を三角寺と改めて第65 番の霊場に定められました。現在 境内にある三角の池がそのときの 遺跡といわれています。  嵯峨天皇も厚くご信仰されて寺 領300町歩を下賜され七堂伽藍を整 え、山内には12坊を持つ大寺とな りました。天正9年(1581)長曽我 部軍の兵火にかかって焼失しまし たが幸に本尊は無事でした。  嘉永2年(1849)にお寺は再建さ れ現在に至っています。お寺は安 産のお寺としても知られ、妊婦は 庫裏にある杓子を持ち出して家の 床下へ置き、安産できるとお寺へ かえすという風習があります。

風景

 三角寺は伊予路「菩提の道場」 最後の札所であり、また伊予路の 関所寺ともいわれて標高430mの山 にあり、今でこそ門前まで車で行 けますが、昔はかなりのきびしい 山道を登らねばならぬ難所寺でし た。  坂道の参道が70数段の石段に変 わり、足場の悪い段を登り終える と単層の山門があります。この仁 王門には梵鐘がつるされてお寺に 入る際に鐘をつくならわしになっ ています。門をくぐると左手に二 層の堂々たる本堂があり、本尊の 十一面観音が安置してあります。